in the wilderness

荒れ野にて言葉を探す。北へ。南へ。

暗がりに白い薄灯りのまわりを、ウスバカゲロウがよたよたと飛んでいる。
不気味な様が不安を誘う一方で、自らの意思で飛んでいるというより、
むしろ糸に吊られて動く死骸に見えるのは、どこか憐れでもある。
生きていながら、既にうっすらと死を纏った生き物かしら、と想う。
こわい。