in the wilderness

荒れ野にて言葉を探す。北へ。南へ。

わたしはロボの脇に肉と水を置いてやったが、ロボは見向きもせず、静かに腹ばいになって、あの落ち着いた黄色い目で、わたしの肩ごしに、谷の向こうの広々とした平原― 彼の王国を見つめていた。わたしが体にさわったが、びくりともしなかった。


ライオンが力をもぎ取られたとき、ワシが自由を奪われたとき、ハトがつれあいから引き離されたとき、みんな、かなしみのあまり死ぬという。この恐ろしい悪党王は、その三つの痛手を一度に受けたのだ。どうして、そのかなしみに耐えることができたろうか。


                     − Ernest Thompson Seton 『Lobo, the King of Currumpaw』−